一週間ほど前、東京方面へ出向いていたのですが、
百合が丘に住む旧知の友(彼も学生時代に舞台で演じたことがあります)の案内で、川崎の日本民家園というところに行きました。
全国から様々な民家が移築・展示されています。
(どんな民家があるかは、下の表示されないサムネイルをクリック!)
その民家園のはずれに、
こんな民家?も移築されていました。
三重県の漁村の舞台です。
花道や回り舞台、奈落、天井はにはスノコが釣ってあり、
かなり凝った芝居ができる装置が備え付けられています。
立派な舞台です。
説明書きには次のようにありました。
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旧船越の舞台 (国指定重要有形文化財)
この舞台はもと三重県志摩郡大王町の船越という海女漁で栄えた漁村の神社の境内にあったもので、安政4年(1857)に建てられました。
延面積は232㎡(約70坪)、間口10.84m(35.8尺)、奥行9.09m(30尺)、舞台の左側・背面・中二階の三ケ所の楽屋をもち、右(上手)に太夫座、左(下手)に花座という張り出しの「出語り」を備えており、舞台機構としては径5.45m(18尺)の回り舞台・石垣積の奈落・花道・スッポン・中釣り簀の子・大簀の子(ぶどう棚)など歌舞伎芝居を演ずるのに必要なものはほとんど備えています。
屋根は桟瓦葺ですが、大棟鬼瓦の鰭は菊水を篭彫にしたもので誠に非凡な技といえましょう。
鬼瓦や軒の瓦にはいずれも「若」の字をあらわし、この舞台の建設・運営に若者組という民俗的組織があたっていたことを物語っています。
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まだ、映画もテレビもなかった時代、芝居は最大の娯楽だったのでしょう。
そうしたお芝居を掛けることができる舞台(小屋)を持っていることは、村の誇りであり財産だったことが想像できます。
この村は、これだけの舞台を建てることができたのですからかなりの財力を有していたことも想像できます。
しかもその収入の多くは海女漁。女性の逞しさが伝わってもきます。
そうした母ちゃん・姉さんたちへの感謝と慰安として、こうした舞台は、村の財力を賭けて建てられたのかもしれません。
ところで、
F-Stageの舞台は、これにはとてもとても及びませんが、
普通の教室を、これまでさまざまに改良を加え、
(といっても教室の原型を壊すわけにはいきませんが…)
ちょっとした小劇場っぽい体裁にまでなりました。
それは、「教室」という限定された空間にもかかわらず、
少しでも快適に、そして楽しく芝居を観ていただきたい、
同じ時空間を演劇を通して共有したいとの、
これまでの劇団員の創意工夫の成果です。
まだまだ至らずの舞台空間ではありますが、
303教室は、我らF-Stageの原点でありつづけます。
ここで繰り広げられます第11回公演「大誘拐」を
ぜひ楽しんでください。
みなさんのご来場、心よりお待ちしております。
船越の舞台の「奈落」
舞台は、
この世とあの世を架橋する場(?)
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年3~4回の学内公演、12月には太宰府天満宮参道脇の太宰府館で公演を行っています。
みなさん、F-Stage Worldへ是非一度足をお運びください。心よりお待ち申し上げております。